歯を失った時の治療法としてインプラント治療を選択する方が増えてきました。
自分の歯のように使うことができるとされているインプラントですが、実際にはどれくらいの期間、使用できるのでしょうか。
合わせて、インプラントを長持ちさせる方法などについて、説明していきます。
■インプラントは半永久的に使えるの?
インプラントが10年経過したときに、続けて使用できる率は約90%といわれています。
この数字は、インプラントを埋め入れた箇所や口腔内の状況、全身の健康などの個人差も大きくかかわってきます。
また、インプラント治療は、埋め入れた後に定期的に通院して検診を受けることが、長く使うことができるポイントです。
■インプラントの寿命を早めてしまう原因
歯ぎしり
就寝中や集中しているときの無意識の歯ぎしり、噛みしめ、噛む力が強い方は、インプラントと被せ物の連結部分に力がかかり続けてしまい、インプラントが傷んでグラグラしたり折れたりすることにつながることがあります。
天然の歯は、歯を支えている骨と歯の間にある歯根膜という組織があり、歯にダメージが直接いかないような役割も果たしています。
インプラントには歯根膜がないので、外部からの強い力や炎症が直接伝わってしまうのです。
対処法としては、マウスピースで歯やインプラントを守る方法があります。
歯科医院で自分の歯列や癖を考慮したオリジナルのマウスピースを作成できますので、相談してみましょう。
インプラント周囲炎
インプラントも天然の歯と同じく、歯周病のような歯周組織に炎症を起こすインプラント周囲炎という病気があります。
インプラントを支えている歯茎や顎の骨に炎症が起こり、インプラントを支えることができなくなってしまう病気です。
インプラント周囲炎は自覚症状のない歯周病よりもさらに気が付きにくい病気なので、いつのまにか重症化してインプラントが大きく揺れたり、抜け落ちたりしてしまうことがあり、完治も難しい病気です。
磨き残しなどから歯垢や歯石が溜まり、細菌が繁殖して炎症を起こすので、定期的なPMTCと毎日の正しいブラッシングが必要となります。
■インプラントを長持ちさせるためのポイント
定期的なメンテナンス
インプラント治療後には定期的な通院をして、メンテナンスすることがとても大切です。
インプラント体と被せ物の連結部分をチェックしたり、骨の状態や歯周ポケットを診察したりすることで、インプラントの異変やインプラント歯周炎の早期発見・早期治療につながります。
正しいブラッシング
定期検診は個人差がありますが、半年に1回程度なので、毎日のセルフケアの積み重ねが重要です。正しい歯磨きやデンタルフロスや歯間ブラシなどを使ってインプラントも残された自分の歯も磨き残しがないようにしましょう。
生活習慣の見直し
乱れた食事時間や栄養バランスなどは免疫力を下げることになってしまい、トラブルが起こることにつながります。
また、喫煙習慣のある人は、歯茎の血流を悪くしてしまい、歯周病やインプラント歯周炎にかかりやすくなってしまいます。
全身の健康管理も考えて、禁煙や本数を減らすなどの見直しをしたほうがよいでしょう。
インプラントの寿命はどれくらい?(まとめ)
インプラント治療して自分の歯と同じように食事が出来、自然な見た目になったら、なるべく長く、一生使えるようにしたいですよね。
なにか変わったことや痛みなどがあれば、早めに歯科医院に連絡して診察を受けるようにしましょう。