花粉症で悩んでいる人は年々増えていっているように感じます。くしゃみや鼻水、目や肌が痒くてたまらなくなる症状はとても辛いですよね。多くの人が花粉症になっていますが、花粉症の症状が始まると歯が痛くなる人も多いようです。
なぜ花粉症が始まると歯が痛むの?という疑問について、今回はお話したいと思います。
■炎症を起こしているのは歯ではない?
花粉症の症状が出始めてから歯が痛んだように感じるのは、花粉症による副鼻腔炎になっているからかもしれません。
副鼻腔(ふくびくう)というのは鼻のまわりにある空洞で、頬の裏側にかけて広がっている空洞をさします。この鼻腔に細菌が感染して炎症が起きている状態を副鼻腔炎といいます。
花粉症で鼻の炎症が起きると上顎に近い副鼻腔の粘膜が腫れて、上の奥歯などを圧迫することで痛みがでてくるのです。
■副鼻腔炎が原因の歯痛の症状
虫歯や歯周病などで歯が痛んでいるのではなく、副鼻腔炎が原因の歯痛の場合の特徴があります。
平静時もズキズキと痛む
歯そのものが痛いのではなく、歯根や神経が圧迫されて痛みが出ていて副鼻腔が炎症をおこしている時は、噛んだりしたときだけではなく常に痛みを感じる状態になっています。
上の奥歯が痛む
鼻が詰まっていたり鼻水がでていたりするときに上顎の奥歯に痛みを感じる時は、細菌が入り込んで神経が圧迫されている場合があります。
痛みのほかに歯が浮いた感じがする
歯の根が圧迫されているため、歯が押し出されているような、浮いた感覚があります。
■歯痛と副鼻腔炎との違い
歯に痛みが出るのは、両方に共通ですが、副鼻腔炎には歯痛以外にも症状があります。
頭痛がする
鼻腔は鼻から目の下まであり、炎症が起きると広範囲にわたり神経を圧迫したりするため、頭が痛くなることがあります。
頭を動かすと痛む
走ったり頭を下げたりすると、鼻腔に溜まった膿が揺れて頬の辺りが響くような感覚がしたり、痛みを感じたりします。階段を上り下りしたり、ジャンプしたりすると響く場合は副鼻腔炎になっている可能性があります。
目の奥に圧迫感がある
空洞に膿がたまって、目の奥や下、鼻が圧迫されたような感じがします。
■虫歯か副鼻腔炎かどうか判断するには
歯科医院で虫歯か副鼻腔炎かどうか判断するには、レントゲンやCTなどの撮影が必要になってきます。虫歯の場合、痛みがでているときには、虫歯菌が歯の根まで進行している事が多く、神経を抜くような治療(根管治療)になることもあるでしょう。
副鼻腔炎で痛む場合は、抗生物質を服用すれば炎症が治まることが多いです。
歯科医院だけで判断することは難しいので、耳鼻咽喉科にも行って診察を受けるのも良いでしょう。
花粉症で歯が痛くなる原因(まとめ)
花粉症による鼻づまりで副鼻腔炎になってしまうことで、上顎の奥歯に痛みがでることもあるのですね。花粉症だけではなく、風邪などを引いたときに起こりやすくなったり、鼻炎気味の人もなりやすい症状です。
副鼻腔炎の症状にあまりあてはまらず、歯痛が続く場合は歯科医院を受診するようにしましょう。