虫歯などを治療した後にもかかわらず、痛みがあったりしみたりした経験はありませんか?
きちんと治療したはずなのに…、なにか不具合があるのかも…、と心配になりますよね。
今回は治療した歯が痛んだり、しみたりする仕組みや対処法などを解説いたします。
■なぜ治療後の歯が痛むの?
神経が敏感になっている
虫歯治療をする際に、器具で歯を削る強力な刺激によって、神経がダメージを受けて敏感になったり炎症を起こしたりすることもあります。
虫歯になった箇所を完全に取り除かなければいけませんが、削ることによって神経の近くまで削ることになり、よりしみやすくなることもあります。
また、治療した後は歯を守ろうとして痛みが出たりしみたりすることがありますが、新しい象牙質が作られてくることで、徐々に症状はでなくなります。
金属は温度を伝えやすい
進行した虫歯の場合、白いレジンの詰め物ではなくて、銀歯や金歯などの金属の詰め物が使われます。虫歯で削られて神経に近くなった箇所に熱や冷たさを伝えやすい金属が使用されると、温度が感じやすくなり、しみたように感じることがあります。
神経が傷んでいる
虫歯が進行している歯では、神経が刺激を受け続けているため、弱ったり傷んだりしていることがあります。
そのため、虫歯を取り除いた後も、弱っている神経が痛むことがあります。
噛み合わせの不具合
治療したあとの詰め物や被せ物によって、噛み合わせに不具合が生じる場合あります。詰め物をいれた箇所が高くなってしまい、噛み合わせが強くなってしまうと、しみることがあります。
■治療して時間が経っている歯が痛む場合
治療後すぐ、ではなく、以前に治療した箇所が痛む場合は、上記とは違う理由であることあります。早めに歯科医院を受診したほうがよいでしょう。
1.2次う蝕
銀歯や詰め物をしているのに、しみたり痛んだりする、などの違和感がある場合は、被せ物の下で虫歯が再び進行している場合があります。
歯と銀歯の隙間から細菌が入り込んだり、以前の虫歯治療の際に細菌を取り残してしまったりしている場合などが原因によるものです。
再治療が必要になりますので、診察してもらいましょう。
2.知覚過敏
歯がしみる原因で思い浮かぶのは知覚過敏でしょう。
知覚過敏になる原因は様々あり、歯周病による歯茎の下垂や歯ぎしりによる損傷などがあります。
歯周病なら適切な治療が必要となり、知覚過敏の場合も薬剤などを塗布することで炎症が抑えられるので、歯科医院で相談しましょう。
3.食いしばりや歯ぎしり
激しい食いしばりや歯ぎしりによって、歯が摩耗したり、根がダメージを受けていることがあります。歯にひびが入ったり、根が割れてしまうと、熱いものや冷たいものがしみたりします。
■しみたり痛んだりした際の対処法
静かに様子を見る
数週間で治まるものから、半年程度かかるものがあります。
また、神経が弱っていることで敏感になっていることもあるので、熱いものや冷たいものなどの刺激を与えないような食事を心掛けるとよいです。
歯医者に相談
あまりにも痛みなどが続くようでしたら、症状をご相談しましょう。
また、噛んだときに痛みが出る場合は、噛み合わせが合っていないことがあるので、調整してもらうなどをした方がよいでしょう。
根管治療をする
あまりにも痛んだりしみたりする場合は、歯の神経をとる根管治療をした方が良い場合もあります。
金属の詰め物を替える
温度を伝えやすい金属ではなく、自費診療ですがセラミックなどの詰め物に替えることで症状が治まることもあります。
再治療をする
2次う蝕の場合や、歯周病による知覚過敏が原因の場合は、早急に治療をしましょう。
マウスピースを作る
歯ぎしりや食いしばりが原因の場合は、歯や歯茎を守るためにマウスピースを作成して、就寝時に装着しましょう。
治療した歯がしみるのはなぜ?(まとめ)
治療後に歯がしみる原因は様々です。
治療してすぐの場合は、神経が過敏になっていることが多いので、しばらく様子をみたり、気になるようであれば鎮静剤を使用したりするのもよいでしょう。
違和感が長期間続く場合は、歯科医院に早めに相談しましょう。