奥歯のどこかがズキズキ痛い…
その痛み、虫歯ではなくて親知らずかもしれません。
親知らずがズキズキと痛む場合、そのまま放置すると他の歯を圧迫してさらに痛みが出たり、歯磨きがおろそかになったりして、虫歯の原因になることもあります。
今回は、親知らずが痛む原因や抜歯は必要なのか、などについて解説したいと思います。
■親知らずと年齢
親が知らないうちに生えてくる、ということから親知らずとよばれています。
永久歯は大体15歳前後に28本が生え揃うといわれていますが、親知らずは個人差が大きく、15歳~20歳頃に生える、または一生生えてこないままの人もいます。
親知らずは永久歯の奥歯よりも奥に、最後に生えてくる歯です。
さらに、左右上下に4本ありますが、先程述べたように歯茎に埋入したまま生えてこない人や、もとから歯がない人など様々です。
生えるスペースがなかったりすると、斜めに生えたり、歯茎の中に埋もれたまま隣の歯を押したりして、痛みを引き起こします。
■親知らずの虫歯
親知らずは虫歯になりやすい歯です。
一番奥で磨きにくい箇所にあり、頬と隣接しているので丁寧に歯磨きすることが難しいためです。
さらに、斜めに生えている場合、食べカスや歯垢が溜まりやすくなります。
■親知らずの問題点
親知らずが痛む原因として虫歯以外の理由も考えられます。
歯茎が痛む
親知らずは歯茎が被さったまま生えてくることがあります。そうすると、歯茎に食べかすが溜まり、炎症が起こり痛みがでることがあります。
周りの歯が虫歯になる
親知らずが虫歯になると、隣接面などから周りの歯も虫歯になりやすい環境になります。
歯周病になる
親知らずは歯周ポケットも深く、食べかすが溜まりやすい箇所になります。歯垢、歯石が溜まると歯周病になりやすくなります。
■親知らず、は抜くもの?
親知らずは必ず抜いたほうがいい、というわけではありません。
痛みや虫歯になってしまった時、トラブルの原因になりそうな場合は抜いたほうがよいでしょう。
親知らずがまっすぐに生えてこなかったり、斜めや横に生えたりした場合、隣の歯を押して痛みや腫れの原因になったり、歯の根を吸収してしまったりします。
まっすぐ生えてきて歯磨きもできて虫歯にならないのなら、定期検診で様子をみながら抜かなくてもいいケースもあります。
■抜歯の痛み
親知らずは永久歯の第3臼歯で大きな歯です。生えている箇所や生え方によって治療時間や痛みなどが異なり、抜歯治療の中では大がかりなものになることもあります。
親知らずがまっすぐ生えている場合
一般的な抜歯治療で、15分ほどで終わることが多いでしょう。
親知らずが歯茎の下に生えている、斜めに生えている場合
歯茎の切開や、歯を割って抜歯したりする処置が必要となる場合があり、30分以上かかることもあります。
■下顎の親知らずを抜歯するとき
下顎には、血管と神経が走っている「下歯槽菅」という空洞があります。
親知らずを抜く時には、下歯槽菅に気を付けなければいけません。もし、傷つけてしまうと、感覚が麻痺したり、しびれが出たりすることがあるので、要注意です。
■親知らずの抜歯は専門で
抜歯は口腔外科分野にあたりますので、親知らずの痛みで歯医者に行く場合は『口腔外科』を専門に掲げているところや、インプラントで抜歯の経験が豊富な歯科医院などを受診するようにしましょう。
■痛みを軽減するために
麻酔をかけてもらう
抜歯の痛みのための麻酔だけではなく、笑気麻酔や静脈内麻酔などの麻酔が使用できる場合は希望してみましょう。
恐怖心や不安感が強い場合などに効果的です。
難しい症例や親知らず4本を一度に抜歯する場合は、全身麻酔を使用することもあります。
血圧や脈拍などの全身状態を管理していますが、持病のある方は必ず歯科医院に伝えましょう。
体調を万全に
風邪をひいていたりする場合は、親知らずの抜歯はやめましょう。
免疫力が弱っているときは、抜歯した傷口から細菌に感染しやすい状態になっています。
寝不足なども影響して、傷の治りや腫れがひくのに時間がかかることもあります。
口腔内は清潔に
口腔内には細菌がたくさんいます。抜歯の傷から感染しないように、清潔な状態にして抜歯しましょう。
これは親知らず?奥歯に痛みが!(まとめ)
親知らずは、生え方などによって、痛みや腫れがでることが多いです。
寝不足や疲れ、ストレスなどの影響も受けやすく、虫歯になると周りの歯へ悪影響の場合もあるので、気になっている場合は歯科医院に相談しましょう。