ダイエットや美容などを理由に炭酸水を好む方は多くいらっしゃいます。
炭酸水は、水の中に空気が入っているだけ...と思っていませんか。炭酸水は空気が入っているのではなく、水の中に炭酸ガスが溶け込んでおり、そのため弱酸性になっています。歯に酸性の食べ物は要注意、と聞いたことがあると思いますが、炭酸水を飲むことで歯にはどのような影響があるのでしょう。
■炭酸水の歯への影響
炭酸水が弱酸性であることで歯を溶かしてしまうかも、と心配になるかもしれませんが、実際に歯を溶かすことはあまりありません。飲料の中で中性である水はpH値が7となっており、炭酸水の値はこれよりも若干低いだけなので影響は少ないです。
ただ、フレーバーがついている炭酸水は少し注意が必要です。とくにレモンやグレープフルーツなどの柑橘系のフレーバーの場合はクエン酸が加わっている場合が多く、酸性度が高くなっているので気を付けましょう。
歯を溶かすのは虫歯の原因となる糖だけではなく、酸蝕歯(さんしょくし)を引き起こしてしまうクエン酸が加わることで、歯が溶けてしまいます。
■酸蝕歯とは?
酸蝕歯とは、虫歯や歯周病の次に歯を失ってしまう原因の一つとなっています。酸性のものを摂取することによって、歯が溶けてしまうのです。
口腔内の平均的なpHは中性で6.5~7で、少し酸性に傾いても唾液により中和されるので影響はありません。しかし、値がpH5.5を下回ってくると、歯の表面のエナメル質が段々と溶けてきてしまい、酸蝕歯を引き起こしてしまいます。
■炭酸ジュースは酸蝕歯の危険性が!
酸蝕歯にならないために、梅干しや柑橘類の食べ物などの摂取量に気を付けるべきですが、気が付かないうちに飲料しているものとして、酸性度が高い清涼飲料水やスポーツドリンクなどが挙げられます。
オレンジジュースなどの果汁飲料はpH4以下のものが多く、また、コーラやサイダーなどの炭酸飲料はpH3以下のものが大半です。
味のついていない炭酸水に歯を溶かす危険性は少ないですが、味のついた炭酸飲料には酸味が多く含まれていること、同時に砂糖も多く含まれていることで歯が溶けるスピードが速くなるのです。
同じ炭酸水でも、酸性で糖分を多く含んでいるものを摂取する習慣がある人は、要注意!
■炭酸水を楽しむためのポイント
砂糖や柑橘系フレーバーのものには注意
砂糖だけではなく人工甘味料などが入っているものも虫歯の原因となり、歯が溶けてしまいます。また、柑橘系のものは酸性度が高くなるので、酸蝕歯になってしまうことがあります。
すぐに飲むようにする
口の中で発泡を楽しむなど口腔内に長時間溜めていると、歯がより長い時間酸性にさらされるので負担がかかります。溜めずに飲んだり、ストローなどを使ったりするようにしましょう。
続けて飲まない
酸性に傾いた口腔内を中性に戻すのは唾液の役割ですが、時間をあけずにずっと飲んでいると、中性に戻る時間がなくなってしまうので、継続して飲まないようにしましょう。
寝る前は控える
唾液の分泌が減る就寝中に口の中が酸性になっていると、歯が溶けやすくなってしまいます。
炭酸水は歯に悪影響を与える?(まとめ)
ダイエットや美容のために無味の炭酸水や、カロリーゼロの炭酸水を飲んでる方もいらっしゃいますが、飲む際には少し注意しましょう。歯が溶ける可能性は少ないものの、過剰に摂取したりすることは歯が溶けることにつながります。
また、炭酸水を飲んだ後には、水を飲んだりうがいをしたりして、口を中性に戻すとよいでしょう。