お酒の楽しみ方は人それぞれですね。冬の熱燗や夏のビール、おしゃれなワイン会など、お酒好きな人にとっては人生に欠かせないものの一つだと思います。
お酒の飲みすぎは、肥満や糖尿病、高血圧や脳梗塞などの関連性など、体への悪影響を及ぼすと知られていますが、歯へも悪影響があることをご存じでしょうか。
特にお酒は、酸性の飲食物を摂取し続けることで引き起こされる酸蝕歯(さんしょくし)の原因になるとも言われています。
酸蝕歯とはどのような病気なのか、なぜお酒が影響するのか、などをみていきましょう。
お酒の飲み方次第で歯が溶ける?目次
歯が溶ける病気、酸蝕歯とは?
お酒のほとんどは酸性
お酒を飲むときに注意すること
お酒の飲み方次第で歯が溶ける?まとめ
この記事を監修した歯科医
■歯が溶ける病気、酸蝕歯とは?
歯は固いエナメル質に覆われていますが、酸にさらされ続けると徐々に溶けてしまいます。通常の食事でも歯は溶けていますが唾液が中性に戻しています。これを脱灰(だっかい)といいますが、唾液の中和が間に合わないほど酸性が強い飲食物や、続けて酸性のものを摂取し続けていると歯が溶けてしまうのです。
歯が溶けることによって、象牙質が出現して黄色くなったり、痛みが出たり、虫歯になりやすくなったりします。
虫歯や歯周病は磨き残しなどで部分的に起こりやすいものですが、酸蝕歯の場合は歯全体を溶かしていってしまうので、より深刻になりやすく、症状がでにくいので気が付いたときには重症化していることが多いのです。
また、酸性のものは、酢や梅干しなどのように健康に良いとされているものや、レモンなどの柑橘系の果物やビタミンCなどは、リフレッシュになったり美容によいとされたりすることが多いので、歯に悪いと気づきにくいことも問題です。
■お酒のほとんどは酸性
酸性かアルカリ性かを表す値にPh値があります。お水や牛乳は中性でPh値は7です、歯が溶け始めるPh値は5.5前後とされています。
お酒のPh地はどうなのでしょう?
・酎ハイ(pH2.5前後)、赤ワイン(pH2.5~3)、ビール(pH4)、 日本酒(pH4.5)、ウイスキー(pH5.0)
また、お酒は酸性なだけではなく、飲む場合の多くは長時間にわたることが多いので、その飲み方に問題あるとされています。ジュースや普通の食事を長時間することはあまりありませんが、お酒の席は長引いたり、お酒を飲みながら何かをしたりすることは多いのではないでしょうか。中性やアルカリ性の食べ物を食べずにお酒を繰り返し飲み続ける方はさらに注意が必要です。
■お酒を飲むときに注意すること
酸蝕歯は長期的に口の中に酸性のものがあると、より歯が溶けやすくなってしまうので、ストローを使ったりすることをオススメされますが、お酒にストローは使いませんね。
そこで気を付けてほしいのは3点!
1.だらだら飲んだり食べたりしない
酸性の飲食物をだらだらと飲んだり食べたりしないことが大切です。口の中を長時間酸性にしたままでいると、歯が溶けてしまいます。これは虫歯予防にもなるので、是非心掛けたいですね。
2.飲んだあとには水を飲む
お酒を飲みながら合間に水を飲むようにしましょう。水は中性なので口の中の酸性を洗い流して中和してくれます。二日酔い防止にも水を飲みながらお酒を飲むのはいいですね。
3.歯磨きをせずにそのまま寝る
お酒を飲んでそのまま寝てしまうと、唾液の分泌量が少ない就寝中に口が酸性のまま長時間過ごしてしまうので、歯が溶けやすくなってしまいます。
お酒の飲み方次第で歯が溶ける?(まとめ)
体や歯に悪影響があると、楽しいお酒も台無しになってしまいますね。
上記以外にもお酒を吐くほど飲んでしまうと、酸性度の特に強い胃酸(pH2)で歯が溶けてしまうので、自分のお酒の適量を知るようにしましょう。
上記にまとめた、お酒を飲むときに注意することは、酸蝕歯だけではなく虫歯や歯周病予防のためにも良いことなので、是非心掛けるようにしてみてくださいね。