日本人の死亡原因の1つである「ガン」。以前は死に直結する怖い病気でしたが、今では早期発見し早期治療をすれば克服できる病気になっています。
ガンの種類も「胃ガン」「肺ガン」「乳ガン」など様々ですが、今回は歯医者でも診察することのある口の中のがん、「舌ガン」について詳しくご説明いたします。
舌ガンと口内炎の違い目次
舌ガンとは?
口内炎との違い
受診する目安
舌ガンと口内炎の違いまとめ
この記事を監修した歯科医
■舌ガンとは?
舌ガンは舌に発症するガンで口腔がんの半数以上を占めており、口腔に発症するガンの中で最も多いガンです。50歳以上の男性に発症することが多いといわれていますが、若い方や女性の方でも発症します。
ガンができやすい箇所として、舌の横や裏側に多く発症しやすくなっています。
症状は、口内炎のように隆起して赤くなったり白くなったり、しこりができてボコボコしたり、違和感がある、などの変化が現れてきます。
さらに舌ガンが進行してくると、口内炎のようだったものが大きく広がって潰瘍になったり、出血したり口臭が強くなってきます。また、舌に症状が出ずに転移してしまった場合には、首周りのリンパが腫れてくるなどの症状がでます。
表面がざらついてきたり、固いしこりのようなものができたりしている場合は、すぐに病院を受診しましょう。
■口内炎との違い
舌ガンと口内炎は症状が似ていることもあり、早期に発見することが難しい場合があります。口の中の違和感はすぐに分かりそうですが、口内炎と思って時間が経ってしまい、気が付いたら進行していることが多くあるのも舌ガンの特徴です。
大きな違いは口内炎なら1-3週間ほどで治るものが、舌ガンの場合は2週間以上たっても治らない点です。
また、患部の症状もよく似ていますが、舌ガンの場合は患部と粘膜の境目が曖昧で出血を伴う場合があります。舌ガンの場合は初期症状の口内炎のような見た目の時には、炎症も小さく痛みもあまり感じません。
■受診する目安
口内炎か悩んだ場合は、口腔外科や耳鼻咽喉科に行って早めに診察を受けるようにしましょう。
受診の目安としては、
・口内炎のような症状が2週間以上続く
・症状がでている箇所の境目がはっきりしない
・口内炎よりも痛みが少ない
・出血することがある
ガン段階になる前に、「白斑(白板症)」という粘膜が白くなる症状が現れる場合があります。必ずガンになるわけではありませんが、注意してみるとともに、しびれや異変があった時は、受診するようにしましょう。
また、白ではなく、赤い斑状になる「紅板症」という病気もあります。この場合はガンに変わりやすいため、受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
舌ガンと口内炎の違い(まとめ)
早期発見、早期治療すればガンは怖くない病気です。口の健康は栄養や食事など体全体の健康と繋がっています。また、食事だけではなく、言葉などコミュニケーションに影響が出るのでQOL(生活の質)と大きく関係しています。異変を感じたら症状を観察して、早めに受診するようにしましょう。