歯を磨くのはなぜだと思いますか?
虫歯予防、口臭予防、歯周病予防、毎日の習慣で…などの理由があると思いますが、それらを引き起こす原因の一つに、たまった歯垢があります。
歯垢とはいったいなんなのか、歯垢がたまるとどうなってしまうのか、より効果的な歯垢除去の方法などを紹介したいと思います。
■歯垢(しこう)とは?
歯垢は歯に食べかすや汚れで、虫歯や歯周病の原因になるというのは、ご存知だと思います。
しかし、歯垢はただの汚れではなく、口腔内の細菌が棲んでいる塊のことでプラークといわれ、様々な病気を引き起こすものです。
プラークは歯についた細菌の塊で、48時間たつと歯石という石のように固い細菌の塊になり、歯磨きでは取れなくなります。
2日間歯磨きをしないと、歯石となって歯科医院で除去してもらわなくてはいけません。
■歯垢がたまるとどうなるの?
歯垢は細菌の塊なので、歯や歯茎だけではなく血流にのったりして全身に悪影響を引き起こしてしまいます。
1.虫歯
歯垢の中で増えた虫歯菌が酸を出して、歯を溶かし虫歯になります。
2.歯周病
歯垢の中の歯周病菌が歯茎に炎症を起こして入り込み、歯を支えている顎の骨を溶かし始めます。次第に歯茎が下がって最終的には歯を失ってしまうこともあります。
3.口臭
口腔内に棲んでいる細菌が発生するガスによって口臭が発生します。舌苔についている細菌や歯周病にかかっている場合も口臭がします。
4.全身疾患
歯垢がたまることで引き起こされる歯周病菌は、血液中に入り込むことで体中にまわり、心筋梗塞や糖尿病などの病気の原因になることもあります。
■毎日のホームケアが大切!
丁寧に歯磨きをしたとしても歯垢が100%除去できるのではなく、2~4割の歯垢は残ってしまっているといわれています。
歯を磨くというイメージよりも、「プラークコントロール」するようなつもりで、プラークをなくすために、”歯と歯茎の間”や、”歯と歯の間”の歯垢を除去するようにケアをすると良いでしょう。
歯ブラシは小回りがきくようにヘッドが小さいものを選び、歯茎に対して45度の角度で、小刻みに30回程度を目安に磨くのが、歯垢を取り除きやすい歯磨き方法です。
力を入れ過ぎると歯茎が傷ついてしまうので、歯ブラシの毛先が開かない程度の軽さで磨きましょう。目安は100gといわれています。
届かない箇所にはデンタルフロスや歯間ブラシを併用すると効果的です。
他にも奥歯の溝にはプラークがたまりやすいので、意識して磨きましょう。
また、細菌の増えやすいのは唾液の分泌が減る睡眠中なので、夜眠る前の歯磨きを特に丁寧に行うと効果的です。
歯垢がたまる原因と治療法(まとめ)
歯垢は細菌の塊なのです。歯垢がたまることで虫歯や歯周病になったり、口臭の原因になったりすることを考えると、歯を失わないためにも毎日の歯磨きは大切ですね。
また、歯磨きだけでは取り除けない歯垢については、歯科医院で歯科衛生士さんに専用の器具と薬剤を使用して取り除いてもらうようにしましょう。